見た順に。

座頭市

 外国で賞を取った北野武の映画、なんて気張っていくと肩すかしを食らうかもしれません。
 楽しい娯楽映画でした。
 アウトローが貧者側に立つという、わかりやすい内容にクセのない展開。
 随所に入ったコメディを楽しみ、苦労人の姉妹の身の丈話の回想にホロリとし、するどい剣劇に見とれてしまう。
 TV時代劇にアクションを沢山入れて、セットを豪華に、CGで迫力を増し、全体の流れをよりスピーディにした感じ。
 タップ・ストップを入れた演出は、ただ挿入しただけでなくて笑いや情けと重なる感じが見られて面白かったです。
 

Kill Bill

 栗山千明GOGO夕張 のために見に行きました。
 見終わった後に、ペンキ絵看板みたいな映画だと思っていたら案の定↓

 http://www.aintitcool.com/display.cgi?id=14498

 ↑のノリが好きでこれから劇場で見るという方は、パンフレットを買うことをおすすめします。
 ストーリー概略や俳優紹介、名カットシーンをのせるだけの作りに止まらず、
 曲や各シーンの元ネタ話や裏話満載の設定資料集になってました。


演技指導に当たってヒロイン達に「東映怪獣大決戦」物を見せて


 ( ゜皿゜)<これは女優の怪獣大決戦なんだ! (^▽^;(´ Д `;)


とか、日本刀を振り回す日本製アニメを栗山千明に見せて


 ( ゜皿゜)<こういう風に演じてくれ! 川σ_σ;||


と語る監督をどうして嫌いになれようか。


 そんな元ネタや監督のクセがわかっていても、
 映画の売りであるはずの日本刀格闘シーンよりも冒頭の掴みであるナイフ格闘シーンの方がカッコよくみえるなど、
 どこからどこまで狙ってるのかわからないへっぽこ感には不安に落とされました。


 CMでおなじみ、虫の警告音を思わせる「鬼刑事アイアンサイドのテーマ」の高鳴りと共に爆発するアクションや、
 強引にぐわっと入る回想シーンなど、瞬発力のある映画でした。
 

 酒をラッパ飲みし、死んだ魚のような三白眼で鎖鉄球(パンフレット曰くGOGOボール)を振り回す栗山千明に萌え。


 ちなみに今回のVol.1は日本編だけれども、次のVol.2は中国編とか。


リベリオン

 「ガン=カタ」という独特のアクションが熱狂人気を呼んだ映画です。
 劇場で見られなかったのでDVDを購入して見ました。

 薬物で人の情動を制御することを選んだ未来社会。
 感情違反者を取り締まる「クラリック(聖職者)」と呼ばれる職に就く男の物語です。


 CGアクションに慣れた目には「ガン=カタ」はさほど派手に見えず、
 それよりもストイックな主人公や、モノクロームな管理社会の町並みの雰囲気に心を奪われていたので
 「みんな、あまりガンカタガンカタばかり言うな!」と、思ったのですが
 暫く見続けていて、遅まきながらあることに気がついて目から鱗が落ちました。


 「ガン=カタ」の演出は、静・動の動きにカメラカットを入り交えてスピードを割り増しさせるのでなく、
 人間が目に止まる速度で、流れるように動き続けるものでした。
 動作が停止するのは戦闘が一区切りついてから。
 歌舞伎のように見得を切ることで、残心を見せる。
 超人ではなく、達人の演出。(一部例外もあるけれど) 
 

 ちまたの評判のように「すげぇかっこいい!!」というのではなく、
「しみじみかっこいい」という印象でした。