涼宮ハルヒの退屈

 雑誌に掲載された短編に書き下ろしを加えた短編集。

涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの退屈 (角川スニーカー文庫)

○プロローグ
 短編集の語り出しとしての導入


涼宮ハルヒの退屈
 つまりハルヒは、ただ退屈だったのだ


 団長ハルヒの鶴の一声で、市内アマチュア野球大会に参加決定したSOS団
 季節は六月。「涼宮ハルヒの憂鬱」と「涼宮ハルヒのため息」の間の話。


 日常がめちゃくちゃにされていく味が良く出ている、ハルヒシリーズらしい短編。
 第一作「涼宮ハルヒの憂鬱」よりも先に活字となって雑誌発表されたというのに納得。


笹の葉ラプソディ
 「ごめんね」


 七月七日。ハルヒが伐採してきた笹の飾り付けイベントが行われたSOS団
 終了後にキョンはみくる先輩にさそわれる。


 現在過去未来の因果話がキター。
 ここまで来てようやくシリーズ全体が面白くなってきた。


ミステリックサイン
 「我がSOS団に、行方不明中の彼氏を捜して欲しいというのね?」


 常にカオスの中心であるハルヒっぷりが書かれた短編。
 冷徹後輩、長門に性格転向の兆しが。


孤島症候群
 「孤島なのよ!しかも館よ!またとないシチュエーションじゃないの!」


 SOS団夏合宿先の館で発生した事件。
 島と館の所有者が、胸にナイフを突き立てた姿で発見された。


 孤島・館・殺人をテーマにした話がこの本の中で一番日常に近い話なのがこれまた。