クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識
クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)
- 作者: 西尾維新,take
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/02/07
- メディア: 新書
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クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)
- 作者: 西尾維新,take
- 出版社/メーカー: 講談社
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各巻あらすじ
【クビキリサイクル】
財閥令嬢が孤島の屋敷に天才達を招待した。
”戯言使い”の「僕」は、工学の天才”青色サヴァン”玖渚友(くさなぎ とも)の付き添いとして同行する。
科学・絵画・料理・占術・工学の天才女性五人と、
その仲間達と、
館主・メイドが集う島で、密室クビキリ事件が発生する。
”クビキリサイクル”から抜け出した戯言使いの「僕」は大学生活を始めていた。
クラスメイトの誕生会に招待されて、参加するが、その翌日にはパーティの主役が絞殺される。
一方、街では連続切り裂き事件が発生していた。
クビキリサイクルの 第一章の見開きページに出てきた文章。
世界は優秀に厳しい。世界は有能に厳しい。
世界は綺麗に厳しい。世界は機敏に厳しい。
世界は劣悪に優しい。世界は無能に優しい。
世界は汚濁に優しい。世界は愚鈍に優しい。
こんな感じで詩的というかキャッチフレーズというか、リズムに合わせて目に引く言葉を並べていく、言葉遊びがふんだんに盛り込まれている。
個人的には、こういう文を読むのは好きではない。
私は読解力が低いので、文体リズムと目新しい単語でイメージを加速されると、文章の意味を理解しないまますっ飛ばされて、印象だけを植え付けられてしまうのだ。
そもそも、その効果を狙ってるようでもあった。
落ち着いて読んでも意味がわからない。でも雰囲気はわかる。
と、いうような文が結構あった。
イカガワシイ呪文で洗脳されてるような気分になるので、ちょっと嫌な気分になる。
しかし、ゲームなどで見かける分には嫌な手法ではなかったりする。
あれは音・絵・振動と、あらゆる手段でユーザを洗脳する物のような気がするし。考えるな感じろのメディアかなと。
そんな曖昧で我が侭な思いこみで好き嫌いが決まるのは、不公平で不思議だなと我が事ながら。
それはともかく。
”天才”や”最強”や”最凶”がそこらにうろつくスーパーな世界に属している主人公達の論説は、複数の常識と現実を知っている(── 世の一般常識と、自分たちのスーパーな常識など ──)故か、観念・精神論的。
かつ、本来複雑な要素を持つ物事を、単純に記号化して組み立て、強行突破をするような詭弁が目立つ。
主人公たちもそれを自覚していて、ニヒルに嘲笑したり「戯言だけどね」と決め言葉で締めてくる。
一巻を読んでいたときのこと。
主人公の過去エピソードが伏線的に語られ、先が気になって読んでいったのに、結局その巻の中では満足いくような話は明かされなかったので、ぽかーんとした。
一巻一巻で、一挿話をフォローしないタイプの物語らしい。
設定だけ小出しにされているようで、イライラさせられつつ気になってしまう。
観念論は無為な奇説に陥りがちだ。
登場人物が繰り広げる無為の悲しさ、奇説・奇行のいびつさを感じる話なのかもしれない。
登場人物そのものに、様々な”天才”や”英雄”達に、惹かれながら読む物かも知れない。
設定に興をそそられているので、先を読んでみたいとも思う。