涼宮ハルヒの動揺

短編集。

涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫)

ライブアライブ
 その日、文化祭当日。

 
 文化祭というハレの日をSOS団なりの日常に則して過ごす平和な日。
 文庫表題通りに涼宮ハルヒが「動揺」したのはこの話しだけのような。


朝比奈ミクルの冒険 Episode 00
 朝比奈ミクルの正体は未来から来た戦うウェイトレスである。
 彼女の普段着はバニーガールスタイルである。 

 
 「涼宮ハルヒのため息」で製作されて、文化祭に上映された映画の内容。
 笑えた。
 この話は★★★★★ぐらいツボにきた。
 この映画をの内容を見るに、みくる先輩本当に役に立ってないなとつくづく反芻できる。


ヒトメボレLOVER
 中河の人生設計が終盤にさしかかり、ゆくゆくは郊外に一軒家を構えて
 二人の子供と一匹のウェストハイランドホワイトテリアとともに優雅なスローライフ
 満喫するという未来日記を読んでいる俺を、長門はただ黙然と眺めているのみだった。


 キョンの中学時代の友人が、長門にヒトメボレをした。
 キョンは告白の橋渡しを頼まれる。


 ラストの締め方は、ぴちっときてそれでいて後に引く。


猫はどこに行った?
 ようやくSOS団的な、というかハルヒ的な行事が事前の準備に従って始まろうとしている。


涼宮ハルヒの暴走」内短編「雪山症候群」のその後。
 冬合宿の続きのお話で、遭難騒ぎで中断されていた古泉主催のミステリーイベントが開始される。


 推理話、第二弾。シリーズ化しそうだ。
 鶴屋さん(みくる先輩の友人)の財力とハルヒの探求力が組み合わされたらSOS団は大抵のやっかい事に遭遇できそう。



朝比奈みくるの憂鬱
「だから……そうなのだったの。それであたしをここに……」


 みくる先輩役立たずと思っててごめんなさい編。


 偶然かねらい打ちかわからないけれど、
 「朝比奈ミクルの冒険 Episode 00」の後にこの話を読ませられると謝るしかない。


 映画撮影で一本長編を書いた後に、映画本編について短編で書いたりと、
 読んでいる方が痒いと気がつかなかった所に
 先に手を伸ばしてくるようなフォロー技が本当に凄い。
 おお、そこをそんな風に書いてくれると気持ちいいんだなぁ、みたいな。


 だがフォローが凄いというのは、
 その前にゴールを決めかねてボールをこぼしていると言うことで、
 激賞に値するかどうかは微妙な所なんだけれどもな。


 などとキョン風に斜めになってみる。


 特に早くても隔月ペースにはなる小説分野だから、フォロー技だけでは客の掴みが大変そうだ。
 一見さん相手に強力な必殺技「人気No1シリーズ」の看板を取得したから、当面は無敵時代かも。
 (必殺技喰らってまとめ読みをしてフォロー技に翻弄されている私の敗北談)